北岳に来ただけ

2025/10/06

プライベートのお休みをつぶやく教室長です。

先週、長いお休みをもらい日本第2位の北岳登山にチャレンジしました。
南アルプスの最高峰で
「南アルプスの盟主」
とも呼ばれています。

「2位じゃダメなんですか?」
と、言われそうですが
断言できます。
1位よりキツイです。

今回の北岳登山は
一泊二日という短い日程ながら
一生忘れることのできない感動に包まれた旅となりました。

広河原から草すべりルートを辿り
7時間をかけて山頂を目指したその道程は険しく
体力も気力も試されるものでしたが
自然の壮大さと温かさ、そして偶然の出会いが
この挑戦を特別なものへと変えてくれました。

草すべりルートは序盤から急登が続き
足を一歩出すごとに息が上がりました。
しかし標高を重ねるごとに視界が開け
振り返れば深い谷と
遠くまで連なる山々が織りなす風景が広がっていました。
(この中に次回チャレンジしたいオベリスクがあります)
強い陽射しに汗が滴る中
時折吹き抜ける風が体を包み
そのたびに「まだ進める」と背中を押されるような感覚がありました。

途中、思いがけない出会いがありました。

登山道脇の岩陰から
小さな鳴き声が聞こえたのです。

耳を澄ますと
そこにはライチョウの親子がいました。
灰色の羽毛をまとい
岩と同化するようにじっと佇む姿は
まるで大自然に守られているかのようでした。

小さな雛が母鳥の後を追い
よちよちと岩の上を歩く様子に心を奪われました。
ライチョウは氷河期の生き残りとも呼ばれ
高山の厳しい環境にだけ生息する貴重な存在です。

その命の営みを間近にした瞬間
「この山はただの登る対象ではなく
多くの命を育む大地なのだ」
と強く実感しました。
自然に対する畏敬の念が一層深まり
足取りにも新たな力が宿ったように思います。

長い登りを終えて北岳にたどり着いた時
目の前には雄大な景色が広がっていました。
日本1位の富士山、そして南方には日本3位の間ノ岳。
どれもが圧倒的な美しさで、疲れを忘れてただ見入るばかりでした。

翌朝、山頂を目指す道のりは冷たく澄んだ空気の中で始まりました。
稜線に差し込む朝日が岩肌を金色に染め
背後にはまだ眠るような雲海が広がります。

やがて2回目の北岳の頂に立った瞬間
全方向に開けた大パノラマが目の前に飛び込んできました。
南アルプスの峰々、中央アルプスの稜線、そして遠くに堂々と立つ富士山。
その光景は「ここまで歩いてきた」という努力の証であり
同時に自然が与えてくれる最高の贈り物でした。

下山の道のりは膝に堪えましたが
行きとは異なる景色を楽しみながら、鳥の声や沢のせせらぎに耳を澄ませ、自然と一体になれる喜びをかみしめました。
とりわけライチョウとの出会いは
この登山を唯一無二の体験へと導いてくれました。

今回の北岳登山は
体力的な挑戦でありながら
自然の豊かさと尊さを心から感じる旅でした。

険しさの先に広がる絶景、満天の星、そしてライチョウの命の輝き。
そのすべてが私に深い感動を与え
この一泊二日の記憶を生涯の宝物として残してくれることでしょう。 

ちなみに本日から、お仕事スタートですが
下半身筋肉痛でございます。


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